バンドワゴン効果でみんなが支持するものが欲しくなる?
街を歩けば、行列ができているラーメン屋につられて並んでしまったり、友達が持っている人気のスマホにつられて自分も買ってしまったりすること、ありますよね?
SNSでのいいね! 多くの「いいね!」が付いている投稿を見ると、自分も「いいね!」を押したくなることありませんか。
これはもしかしたら「バンドワゴン効果」のせいかもしれません。今回は、私たちの消費行動に大きな影響を与えるこの心理効果について、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。
1. バンドワゴン効果とは? みんなと同じが良いという心理
バンドワゴン効果とは、「多くの人が支持しているものに対して、より多くの支持が集まる現象」のことです。アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインによって提唱されました。
「バンドワゴン」とは、パレードの先頭を行く楽隊車のこと。人々がその賑やかな楽隊車に惹きつけられる様子から、この名前が付けられたそうです。
日本ではチンドン屋が街を練り歩いて人々の注目を集めたように、現代ではSNSがその役割を担っていると言えるかもしれません。
SNSは、情報伝達のスピードと範囲において、チンドン屋とは比較にならないほどの力を持っています。そのため、バンドワゴン効果もより強力に、そして広範囲に作用するようになっているのです。
つまり、周りの人が良いと言っているもの、流行しているものを見ると、「自分も欲しい」「自分も試したい」という気持ちが強くなる心理現象と言えるでしょう。
2. 日常で見かけるバンドワゴン効果の例…あなたも経験しているかも?
バンドワゴン効果は、私たちの日常生活の様々な場面で見られます。以下にいくつかの例を挙げてみましょう。
- 行列のできるラーメン屋
飲食店の前に行列ができていると、「きっと美味しいに違いない」と思い、つい並んでしまう。 - 流行のファッション
人気のインフルエンサーが着ている服や、街中でよく見かけるファッションアイテムを「自分も欲しい」と思う。 - SNSでの拡散
SNSで話題になっている商品やサービスを見ると、興味を持ち、購入を検討する。 - 選挙での投票行動
事前の世論調査で優勢とされている候補者に、支持が集まりやすくなる。 - アプリのダウンロードランキング
アプリストアのランキング上位のアプリは、「人気があるから面白いに違いない」と思い、ダウンロードしてみる。
これらの例からわかるように、私たちは無意識のうちにバンドワゴン効果の影響を受けて、行動を選択していることが多いのです。
3. バンドワゴン効果のメリットとデメリット - うまく活用すればビジネスにも役立つ?
バンドワゴン効果は、ビジネスの世界でもよく活用されています。例えば、以下のような活用方法があります。
限定販売や数量限定:「限定」という言葉を使うことで、希少性を演出し、人々の購買意欲を高める。
口コミやレビューの活用: 顧客のポジティブな口コミやレビューを積極的に掲載することで、商品の信頼性を高め、購買意欲を刺激する。
インフルエンサーマーケティング: 人気のあるインフルエンサーに商品を紹介してもらうことで、多くの人に商品の魅力を伝え、購買につなげる。
しかし、バンドワゴン効果にはデメリットも存在します。例えば、情報が不確かなまま流行に乗ってしまうと、後で後悔することもあります。
また、企業が意図的にバンドワゴン効果を利用して、消費者を誤った方向に誘導する可能性も否定できません。
新NISAにおける「みんなが知っている」効果
新NISAにおいても、多くの人が知っているという状況は、以下の点でメリットがあります。
多くの人が利用しているという状況は、投資初心者にとって、安心して投資を始めることができるという心理的な安心感を与えるかもしれません。
インターネット上には、新NISAに関する情報が豊富にあり、投資に関する知識を深めることができます。
新NISAの利用者同士が交流するコミュニティが形成され、投資に関する情報交換や相談ができるようになります。
新NISAは、多くの人が利用することで、より効果を発揮する可能性を秘めていますが、投資は自己責任で行うものです。周りの人がやっているからという理由だけで安易に始めるることは避けるべきです。
大谷選手がWBC以降急に大谷ファンが増えたのはバンドワゴン効果?
大谷翔平選手がWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)以降に急激にファンを増やした状況は、まさにバンドワゴン効果と野次馬根性が複合的に作用した典型的な例と言えるでしょう。
バンドワゴン効果の側面
WBCでの日本の優勝、そして大谷選手のMVP獲得という劇的な展開は、日本中を熱狂の渦に巻き込みました。「日本中が応援している」「みんなが話題にしている」という状況が明確になり、多くの人が「自分もこの熱狂に参加したい」という気持ちになったと考えられます。これはまさにバンドワゴン効果です。
大谷選手はWBCを通して、その実力と人間性を改めて広く知らしめました。特に決勝戦での活躍は圧巻で、まさに「ヒーロー」として国民の目に焼き付きました。
「スーパースターを応援するのは当然」という心理も働き、ファンになる人が急増したと考えられます。
WBC期間中、そしてその後も、大谷選手に関するニュースは連日メディアで大きく取り上げられました。テレビ、新聞、インターネットなど、あらゆるメディアで大谷選手の活躍が報道されることで、人々の目に触れる機会が圧倒的に増え、「知っているのが当たり前」という状況が作られました。
野次馬根性の側面
WBC優勝という「お祭り騒ぎ」に、純粋に興味本位で参加しようとした人もいたでしょう。「何がそんなに盛り上がっているのか見てみよう」「とりあえず話題に乗っておこう」という心理は、野次馬根性と言えます。
大谷選手の活躍は、まさに「歴史的瞬間」と言えるものでした。人々は、その歴史的瞬間を目撃し、語り継ぎたいという欲求を持ちます。「後で話のネタになるから」「歴史の目撃者になりたい」という気持ちも、ファン増加に影響を与えた可能性があります。
流行に乗ることを楽しむ、ミーハー心も少なからず影響しているでしょう。「みんなが注目しているから自分も注目してみよう」「流行に乗っておけば話が合う」という心理は、野次馬的な要素と言えます。
野球界のスターの誕生
大谷選手のWBC後のファン急増は、単なる「ミーハー」や「流行に乗る」というだけでなく、WBCという舞台で示された大谷選手の圧倒的な実力と、それによって生まれた国民的な熱狂が大きく影響しています。
バンドワゴン効果と野次馬根性は、表裏一体の関係と言えるかもしれません。多くの人が注目する状況に惹きつけられるという点では共通していますが、バンドワゴン効果は「自分もその輪に入りたい」という参加意識が強く、野次馬根性は「何が起こっているのか見てみたい」という好奇心が強いという違いがあります。
大谷選手の場合、WBCでの活躍を通して、多くの人が単なる「見物人」ではなく、「応援者」になりたいと感じたのではないでしょうか。つまり、野次馬的な興味から入り、その実力と人間性に触れることで、熱心なファンへと変化していった人が多かったのではないかと考えられます。
まとめ
現代社会では、SNSがこれらの心理を増幅させる役割を果たしています。SNSで情報が拡散し、可視化されることで、バンドワゴン効果と野次馬根性がより強く作用するようになっていると言えるでしょう。
多くの人が支持しているということは、そのものが良いものであるという証拠だと考えがちです。
自分と同じ考えの人が多いと、自分の考えが正しいと確信しやすくなり、周りと違うことをするのが怖いという心理が働きます。
バンドワゴン効果を理解して賢い消費者になろう
バンドワゴン効果は、私たちの消費行動に大きな影響を与える心理現象です。
この効果を理解することで、流行に流されすぎることなく、自分にとって本当に必要なものを見極めることができるようになります。
また、ビジネスにおいては、この効果をうまく活用することで、マーケティング戦略を成功に導くことができるでしょう。
この記事が、バンドワゴン効果について理解を深める一助となれば幸いです。
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