孤独な日常に差し込んだ一条の光
長年、穏やかながらもどこか満たされない孤独を感じながら日々を過ごしていました。
そんな私にとって、一枚の水森かおり30周年記念コンサートの割引券は、まさに青天の霹靂。
60歳を過ぎてからコンサートへ行くのは初めてのこと。演歌歌手・水森かおりさんの美しい歌声が生で聴けるという事実に、忘れかけていたワクワクする気持ちが込み上げてきました。

水戸の街を歩き、会場で感じた高揚
コンサートは午後1時半から。日頃の健康維持も兼ねて、水戸駅北口から水戸市市民会館まで歩いて向かいました。
15分ほどの道のりは、期待に胸を膨らませる私にとって、あっという間の時間でした。
会場に到着すると、そこには多くの人々が。指定席のチケット交換に並ぶ列を見て、改めてコンサートへの期待が高まります。
割引券を正規のチケット(A席5,800円が2,000円に!)と引き換え、手にした指定席券は、まるで特別な招待状のようでした。
普段の何気ない日常が、この一枚のチケットで、少しだけ特別なものに変わった瞬間でした。
大勢の中の「私」と、歌が繋ぐ一体感
会場に入り、1階席と2階席を見下ろすと、そこは開演を今か今かと待ちわびる観客で埋め尽くされていました。
その光景は圧巻で、この一体感の中にいることに感動を覚える一方で、「誰かとこの喜びを分かち合えたら、もっと楽しいだろうに」という一抹の寂しさも感じずにはいられませんでした。
結局、この日も朝から誰とも言葉を交わすことなく、私は3階の席に静かに座り、開演を待っていました。
ホールを見渡すと、両サイドに不思議なものが、グロービスホールの周りの壁は、水戸らしく「梅の花」のデザインだそうです。
それでも、これほど心が躍る体験は久しぶりで、その貴重さに感謝の気持ちでいっぱいでした。
歌声が心を解き放つ、至福の2時間
いよいよ開演の時。ステージに水森かおりさんが登場すると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれました。
周りを見渡せば、私と同じくらいの方が、彼女の歌声と軽快なトークに心から酔いしれている様子。
その楽しげな雰囲気に触れているうちに、一人でいることの孤独感は次第に薄れ、私の心も自然と楽しくなっていくのを感じました。
約2時間にわたるステージは、まさに圧巻の一言。水森かおりさんの大迫力の歌声が会場全体を包み込み、その歌声に身を任せる時間は、日頃のしがらみや孤独を忘れさせてくれる、至福のひとときでした。
プロの歌手の歌声を間近で聴く感動は、想像をはるかに超えるものでした。歌声の一つ一つが私の心に深く響き、「私もまだまだやれることがある!」という、新たな活力が内側から湧き上がってくるのを感じました。
次の楽しみを見つけて、また一歩
コンサートが終わり、賑わう館内にはCDを手に取る人々の姿がありました。私もその熱気に誘われるように、次回の公演情報をチェック。
9月5日には丘みどりさんの20周年記念コンサートが開催されることを知り、「また来ようかな」と、すでに次への期待が膨らみます。
水戸市市民会館を後にし、水戸の街を歩き始めると、いつもの孤独な時間が再び訪れました。
結局、この日も誰とも会話をすることなく一日が終わりましたが、それでも、水森かおりさんの歌声がくれた心震える感動と、新たな一歩を踏み出す小さな勇気は、確かに私の心の中に残っています。
この素晴らしい体験が、私の今後の人生にどのような彩りを加えてくれるのか、今からとても楽しみです。
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