人生100年時代と言われる今、老後の生活設計はますます重要になっています。特に年金の受給開始時期をどうするかは、多くの人にとって大きな決断です。
年金は原則65歳から受給できますが、60歳からの「繰上げ受給」や75歳までの「繰下げ受給」という選択肢もあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った選択をすることが大切です。

年金受給の選択肢とその影響
年金を受け取るには、自身で手続きを行う必要があります。
繰上げ受給を希望する場合は、受給開始時期を決めて年金事務所に「年金請求書(老齢年金裁定請求書)」などの必要書類を提出します。
一方、繰下げ受給を希望する場合は、65歳以降も年金請求書を提出せずにいることで、受給開始時期を遅らせることができます。
年金は自動的に支給されないため、65歳で受け取る場合も同様に手続きが必要です。
繰上げ受給のメリット・デメリット
- 早く年金を受け取れるため、リタイア後の無収入期間を補える。
- 元気なうちに資金を活用できる。
- 受給額が減ることで、税金や社会保険料の負担が軽減される場合がある。
- 受給額が減少し、その減額率は生涯続く。遺族年金にも影響する可能性がある。 例えば、65歳から月10万円受給できる場合、5年間繰り上げると月7万6,000円になる。
- 81歳を超えて長生きした場合、総受給額は通常受給よりも少なくなる。
繰下げ受給のメリット・デメリット
- 受給額が増額され、1ヶ月繰り下げるごとに0.7%増額。75歳開始では84%増額される。 例えば、65歳から月10万円受給できる場合、5年間繰り下げると月14万2,000円、10年間繰り下げると月18万4,000円になる。
- 最長5年間遡って年金を受け取れる遡り請求が可能。
- 受給開始が遅れるため、受給期間が短くなる可能性がある。
- 70歳まで繰り下げた場合、82歳を超えないと通常受給よりも総受給額が少なくなる。
- 繰下げ期間中は年金収入がないため、生活費を労働収入や貯蓄で賄う必要がある。
- 増額された年金額は遺族年金には反映されない。
- 受給額が増えることで、税金や社会保険料の負担が増える可能性がある。
まとめ
繰上げ受給と繰下げ受給には、それぞれメリットとデメリットがあります。
繰下げ受給は増額幅が大きいため、「多少我慢して、後で多くもらう方が安心」と考える方もいるでしょう。
しかし、人生には予期せぬ出来事が起こるものです。
特に70代以降は健康状態が大きく変化することもあり、繰下げ受給を選択しても、その恩恵を十分に受けられない可能性もあります。
元気なうちに年金を受け取り、自分の希望する生活を送ることも、後悔しないための重要な要素と言えるでしょう。
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