退職後の大切な資金を増やしたい。そう考えて株や投資を始める60代以上の方へ。
しかし、甘い言葉で近づく詐欺や、巧妙なネットの手口があなたの老後資金を脅かす可能性があります。
株取引だけでなく、SNS、メール、電話にも潜む危険から身を守るために。この記事では、高齢者の方が今すぐできる具体的な対策を提案します。

急増するネット証券不正アクセス:6社で3312件、被害総額506億円
金融庁は2025年4月18日、ネット証券口座への不正アクセスが16日までに6社で3312件に拡大し、第三者による不正な取引(株式の売買)が1454件あったと公表しました。
売却された株式の金額は累計で約506億円、勝手に買い付けられた株式の金額は約448億円に上ります。
巧妙な手口:偽サイト誘導でID・パスワード窃取
これらの不正アクセスの多くは、利用者をメールなどで誘導し、実在する証券会社のWebサイトを装った偽サイト(フィッシングサイト)にログインIDやパスワードを入力させる手口によるものと見られています。
金融庁は、その手口から「どの証券会社でも発生し得る」として、利用者への注意を強く呼びかけています。
楽天証券も被害に:二段階認証だけでは不十分?
3月下旬には楽天証券での被害が明らかになり、その後の調査で2月から同様の被害が発生していたことが判明しています。
あなたが二段階認証を設定済みであっても、フィッシングサイトでID・パスワードを入力してしまうと、不正アクセスを防ぐことは困難になります。
メールや電話での安易な情報提供は絶対に避けましょう。
日本証券業協会が緊急呼びかけ:いますぐ対策を!
日本証券業協会も同日、利用者に向けて以下の対策を呼びかけています。
ワンタイムパスワード等の多要素認証の設定を行うこと
現在設定済みであっても、設定状況を改めて確認し、可能な限り強固な認証方法を選択しましょう。
証券会社のWebサイトにはブックマークからアクセスすること
検索エンジンやメールのリンクからではなく、事前に登録したブックマークからアクセスする習慣をつけましょう。
老後資金を守るはずが…高齢者を狙う金融詐欺の罠
ネット環境が整って、様々な情報が簡単に取得できる時代になってきました。
簡単に取引できる環境になったネット証券を利用し、退職後の生活資金を確保するために株や投資に関心を持つ高齢者の方が増えています。
しかし、その一方で、高齢者の知識や経験の不足につけ込んだ悪質な金融詐欺も後を絶ちません。
「必ず儲かる」「元本保証」といった甘い言葉に誘われ、大切な老後資金を失ってしまうケースが後を絶たないのです。
株・投資だけじゃない!SNS、メール、電話にも潜むリスク
近年では、株や投資に関する詐欺の手口も巧妙化しています。
金融庁が注意喚起しているネット証券口座への不正アクセスのように、インターネットを利用した詐欺は他人事ではありません。
また、SNSでの嘘の情報や投資勧誘、不審なメールに添付されたURLのクリック、電話での強引な勧誘など、日常生活のあらゆる場面に危険が潜んでいます。
特に高齢者は、最新のIT技術に不慣れな場合が多く、詐欺のターゲットにされやすい傾向があります。
【重要】高齢者が特に注意すべき詐欺の手口
高齢者を狙う詐欺の手口は多岐にわたりますが、特に注意すべきは以下の点です。
未公開株や社債の勧誘
「近々上場する」「高利回り」などと言葉巧みに誘い、実際には価値のないものを高額で売りつける。
投資セミナーや説明会での勧誘
無料セミナーなどで親近感を持たせ、高リスクな金融商品を強引に勧める。
親切心を装った接触
電話や訪問で親しくなり、信頼関係を築いた上で投資話を持ちかける。
フィッシング詐欺
実在する金融機関を装った偽のウェブサイトやメールでIDやパスワードを盗み取り、不正に口座から資金を引き出す。
SNSでの嘘の情報
有名人を騙ったり、あたかも確実に儲かるような情報を流して投資を誘う。
今すぐできる!老後資金を守るための5つの対策
大切な老後資金を守るために、今日からできる対策を5つご紹介します。
①安易に「うまい話」を信じない
「必ず儲かる」「リスクはない」といった都合の良い話には裏があると考えましょう。
②見慣れないメールやSMSのURLは絶対にクリックしない
リンク先は偽のウェブサイトである可能性が高いです。
③電話や訪問での勧誘にはきっぱりと断る
その場で契約せず、家族や信頼できる人に相談しましょう。
④金融機関のウェブサイトは必ずブックマークからアクセスする
検索エンジンやメールのリンクは危険です。
⑤少しでも不審に思ったら、すぐに家族や専門機関に相談する
誰かに相談することで、冷静な判断ができる場合があります。
もし被害に遭ってしまったら…相談窓口と対応
万が一、詐欺被害に遭ってしまった場合は、泣き寝入りせずにすぐに以下の相談窓口に連絡しましょう。
●警察相談専用電話「#9110」
●消費者ホットライン「188」
●金融庁「金融サービス利用者相談室」
早めに相談することで、被害回復につながる可能性があります。
まとめ
ネット証券口座への不正アクセスは深刻な状況です。
二段階認証を設定しているからと油断せず、日本証券業協会が呼びかける対策を徹底し、不審なメールや電話には十分注意してください。
新NISAや今後創設されるかもしれないプラチナNISAを安心して利用するためにも、今一度ご自身のセキュリティ対策を見直し、大切な資産を守りましょう。
60代からの株や投資そしてネットで稼ぐ話は、慎重に進めることが大切です。
甘い誘惑や巧妙な手口に騙されず、ご自身の判断力を過信しないようにしましょう。
今回ご紹介した対策を参考に、大切な老後資金をしっかりと守り、安心してセカンドライフを送ってください。
少しでも不安を感じたら、一人で悩まずに家族や専門機関に相談することが重要です。
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